箸置きのマナーについて

最終更新日 2023年12月20日

箸置きはちょっとした和食料理店などに行けばごく普通に使われているものですから、見たことや使ったことが一回もないという人は少数派でしょう。
別にそこまでの高級料理店でなくても使用されているからです。
ですが一方で一般の家庭において、日常的に使っているという人もまた少ないのではないでしょうか。
和食や箸の使い方には当然のように様々なマナーがありますが、箸置きについてもそこまで詳しくなく、ごく一般的というか常識的に使えば良いと思っている人もいるかもしれません。
これはさほど大きな間違いとも言えないのですが、例えば外国人をもてなすときなど、最低限のことはしっかりと知っておいたほうが良いでしょう。

使う人から見て箸の先が左側に来るように使う

まず、使う人から見て箸の先が左側に来るように使うのが基本です。
これは大多数の人が右利きであり、右手で箸を取り上げたりテーブル上に置いたりしやすいという意味合いがありますが、自分は左利きだという人はどのようにすればよいのでしょうか。
あまり周囲に目立たないように自分から見て右側に位置取りを変えても良いように思えるかもしれませんが、これはマナーの面からすると決していただけません。
右利きであろうが左利きであろうが箸先が左側に来るようにして用いるのが基本です。
左利きの人の場合は、いったんは箸を右手で取り上げ、その上で左手に持ち替えて使うようにしましょう。
テーブル上に置くときにはこの逆の動作が必要になります。
なお、アジアンスタイルのお店などでは、箸を横向きに置くのではなく、縦向きに置くようにする場合もあります。
この場合は常に箸先が奥側に来るようにします。
和食の場合に縦向きに置いたりするのはマナー違反です。
カウンター席ではなくテーブル席のように向かい側にも席があるような場合はなおのことで、自分の口を付けた箸が相手に向かって置かれるようなことは率直に言ってかなり失礼な行為にあたります。

箸置きを用いる理由

箸置きを用いる理由はもちろん単に見栄えなどの問題ではなく、テーブル上に箸先が直接触れることで衛生上の問題があるからです。
食事を取り終わった後の箸であれば、逆にテーブル上を汚してしまうという問題もあるでしょう。
そういう意味では別にある程度格上のお店だけでなく、どんなお店であっても箸を直接テーブル上に置くことは良いこととは言えません。
ですがお店側としてはそれだけ用意するものや洗い物が増えるということでもあり、大衆的なお店では使いたくても用意されていないことも多いです。
そういう場合にはどのようにすればよいのでしょうか。
よく見かけられるのが料理が盛り付けられたお皿やお椀の上に渡すように置くことです。
これは家庭でも良くやっていることかもしれませんが、実は渡し箸と呼ばれ、マナーの面では決して良いことではありません。

小皿や取り皿の端の部分に置くようにする

ではどのようにするかですが、自分用の小皿や取り皿がある場合には、それを利用して端の部分に置くようにする方法があります。
大きなお皿やお椀の上に渡すように置くことはマナー違反ですが、小皿や取り皿の上であればそうはなりません。
ただ、この場合であっても皿の上に渡すように置くことは避けるべきで、あくまで端の部分にちょっと置くようにすることです。
とはいうものの、そもそも箸を置くための専用の用具がきちんと用意されていない場合にまで、置き方のマナーをあまりに細かく詮索するのもどうかという気はします。
そういう場合は臨機応変に対応することも必要かもしれません。
例えば、縁のあるお盆を用いて料理が提供されることがあるでしょう。
このような場合、お盆の縁を利用して箸の先が少し飛び出すようにして置くことはできます。
特に問題となるようなことではありません。
もちろんこの場合でも箸先は常に自分の左側に来るようにするのが基本となります。

割り箸の紙袋を利用して即席の箸置きを作るケース

一方、これもごく普通に見かけることかもしれませんが、割り箸を使うお店であれば、割り箸の紙袋を利用して即席の箸置きを作る人がいたりします。
これはどうなのでしょうか。
ちょっと考えるとあまり良くないことのような気がするかもしれませんが、別に目くじらを立てるようなことではないとされています。
お盆もないし割り箸でもないので袋もないという場合には、どんな料理店にもある紙ナプキンを使うという方法もあり、これも別に問題視されるような行為ではありません。
なお、箸置きを使うようなお店では、単に家族や気の置けない友人知人とだけでなく、ある程度気を遣う相手と会食をすることもあるでしょう。
一緒に食事をする他の人と会話をする場合、口の中に食べ物が入った状態で話をしないというのは常識の範疇でしょうが、たとえ口の中に食べ物がなくても、箸を持ったままでというのはあまりいただけません。

まとめ

とくに話し相手が目上の人であるような場合は、話をする際には箸を手に持ったままにはせず、一旦テーブル上の箸置きに置いた上で行うようにするのがスマートです。

 

関連サイト
創作箸置き工房|イホシロ窯